睡眠不足で太るって本当?ダイエットと睡眠の意外な関係性
睡眠の重要性についての研究が進む現代。数ある研究結果から、睡眠の質の向上がダイエットにつながることが明らかになってきました。それは、睡眠不足が肥満の原因になると判明したためです。
なぜ、睡眠不足になると太りやすくなるのでしょうか。今回は、効率的なダイエットに必要とされる良質な睡眠方法について解説します。
睡眠不足になると太りやすくなるワケ
睡眠不足とダイエットにはどのような関係があるのでしょうか。睡眠不足になると太りやすくなってしまう主な理由を2つご紹介します。
睡眠不足になると食欲が増すため
睡眠不足になると、食欲を増進するホルモン「グレリン」の分泌量が増え、逆に食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌量が低下します。食欲を抑制するブレーキが働かなくなるため、食事量が増えてしまい、結果的に太ってしまうのです。
また、体内にグレリンが増えると、ラーメンやケーキといった高脂肪の食事を欲するようになります。食欲が増えているのに加えて、高カロリーな食事を求めてしまうので、太りやすくなるとされています。
睡眠不足による疲労から活動量が減ってしまうため
睡眠不足になると、エネルギー消費量が減少します。寝不足のときは、疲労や眠気を感じる方が少なくありません。そうなると、動きたくなくなるので、日中の活動量が減少します。活動量が減れば、摂取したカロリーは十分に消費されません。食欲は増しているのに動かないとなれば、消費されなかったカロリーは体内へ蓄積されます。そのため結果として、体重が増えるというわけです。
ただ寝れば良いわけじゃない!寝すぎが原因の注意点
睡眠時間は長ければ長いほど良いわけではありません。寝すぎると、活動時間が減ってカロリー消費が少なくなります。結果、太りやすい身体になってしまうでしょう。ただし、人によって適した睡眠時間は異なります。「何時間寝たら過眠か」の具体的な定義はなく、寝すぎた場合は身体がサインを発します。以下の症状に当てはまった場合は、過眠の可能性もあります。
肩こりや腰や背中に痛みがある
長時間眠ると、同じ体勢でいる時間が長くなります。そうすると、筋肉の血行不良を起こし、肩こりや腰や背中などに痛みが生じます。起きたときに、肩がこっていないか、腰や背中に痛みはないかなどを気にするようにしてみましょう。肩こりや身体の痛みが続く場合は寝すぎている可能性があります。
頭痛や疲労がある
過眠と頭痛や疲労の関係は、生活リズムの乱れによるものです。長時間の睡眠により体内時計が乱れた結果、臓器の働きも通常とは異なってしまい、倦怠感や頭痛などの症状に見舞われます。体調が良くなければ、日中の活動量も減ってしまい、ダイエットになりません。
良質な睡眠を取ることで得られるダイエット効果
質の良い睡眠を取ったときの身体の変化について解説します。良質な睡眠は、ダイエットをサポートする以外にも、健康的な生活を送るうえで欠かせない要素です。
食欲を抑制するホルモンが正常に分泌される
食欲を抑える「レプチン」と食欲を増進させる「グレリン」の分泌量は、睡眠時間の長さによっても増減します。特に食欲を抑制するレプチンの分泌に、睡眠は欠かせません。レプチンが増えると相対的にグレリンは抑えられます。食べすぎてしまう、甘いお菓子や高カロリーな食べ物を我慢できないといった場合は、睡眠不足によるホルモンバランスの乱れが影響している可能性があります。
成長ホルモンの分泌を促す
質の良い睡眠を取ると成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンといえば「身体を大きくする」イメージを持つ方もいるのではないのでしょうか。実は、成長の手助け以外にも、代謝の促進や脂肪の燃焼にも大きく貢献するホルモンなのです。つまり、睡眠で成長ホルモンの分泌量を増やせば、日中で摂取したカロリーを消費しやすい身体を作れるということ。ダイエットに欠かせないホルモンといえるでしょう。
また、睡眠中は成長ホルモンの働きによって、身体の細胞が新しく生まれ変わっています。美肌や美髪といった点からも、質の良い眠りは欠かせないのです。
太りにくい身体を作るために睡眠の質を上げるポイント
質の良い睡眠とは、以下の3つのことが当てはまります。
- 健康的に過ごすうえで必要な睡眠時間が確保できている
- 目覚めが良い
- 日中に眠気を感じず活発に動ける
太りにくい体質にするためにも取り入れたい、睡眠の質を上げるポイントを、以下に挙げます。できることから試してみてください。
起きたら朝日を浴びる
朝起きたときには、強い光を浴びるようにしましょう。強い光によって睡眠を誘発するホルモンのメラトニンの量が減り、スッキリとした目覚めとなります。また、人間の体内時計は1周25時間といわれています。1日が24時間なので、1時間のズレがある状態です。このズレを調整するのも強い光が有効です。できるだけカーテンを開けて、朝日を浴びましょう。
朝日を浴びると、幸せホルモンといわれる「セロトニン」も分泌されます。セロトニンは心身の安定に働きかけるホルモンですので、1日をポジティブな気持ちでスタートできるメリットもあります。
身体を冷やさない
冷えは、血のめぐりを悪くします。すると体温調節がうまくいかず、寝つきが悪くなる原因に。血のめぐりを良くするには、身体を温めることが必要です。方法としては、「ストレッチやマッサージで身体をほぐす」、「ウォーキングやジョギングなど軽い運動を行う」、「38~40度の湯船に浸かる」などがあります。
もっとシンプルに済ませたい場合は、「白湯や生姜湯、ハーブティーやハトムギ茶などのノンカフェインの温かいお茶を飲む」、「首元や目元を温める」なども有効です。冷え性だからと靴下を何枚も履いてしまうと、眠るときの体温調節がしにくくなります。レッグウォーマーを活用して足先は出しておくのがおすすめです。
ブルーライトを浴びない
寝る前にスマートフォンやパソコンの操作を控えることも睡眠の質向上に役立ちます。スマートフォンやパソコンから出ているブルーライトが、入眠に必要なホルモン「メラトニン」の分泌を抑えてしまうからです。メラトニンが生成不足になると、眠りが浅くなります。
とはいえ、寝る前にインターネットを見ることをルーティーンとしていた場合、すぐに切り替えるのは難しい場合もあるでしょう。スマートフォンやパソコンを使用する場合は、ブルーライトカットのメガネを活用する、画面の明るさを下げるという手段もあります。
寝る前の飲み物はノンカフェインを
就寝の3~4時間以内にカフェインを摂取すると、寝つきが悪くなる、眠りが浅くなるといった睡眠の質低下を招く要因になります。カフェインによる覚醒作用は、飲んでから3時間は続くといわれているため、就寝前にカフェインを摂取するのは控えましょう。また、カフェインによる利尿作用も安眠を妨げる要因の1つ。夜中に尿意で目が覚めてしまい、安眠を得られなくなります。
カフェインが含まれる飲料には、コーヒーや緑茶・ココア・紅茶・栄養ドリンクなどがあります。寝る前に飲む場合は、ハーブティーやハトムギ茶などノンカフェインの飲み物を選びましょう。
寝酒の影響について知る
アルコールは睡眠を誘発する作用があるため、お酒を睡眠導入剤の代わりに飲む方がいます。しかし、アルコールによる睡眠誘発は一時的な効果でしかありません。実際には深く眠ることができずに中途覚醒を起こし、睡眠不足を招きます。
また、アルコールには耐性があることも気をつけるべきポイントの1つ。初めは少量のアルコールで入眠できていたとしても、次第に身体が慣れてしまうので、眠るためには量を増やすしかありません。アルコールの摂取量が増えると、依存症のリスクが高まったり、内臓にダメージが蓄積したりと、悪影響を及ぼす可能性もあります。
身体に合わない寝具は変える
身体と寝具の相性も良質な睡眠に欠かせない要素の1つ。起きたときに身体が痛い、疲れが取れないといった不調があるのは、自分の睡眠スタイルに合わないベッドや枕を使っているからかもしれません。
人には心地良い姿勢やや角度があります。身体をまっすぐにして寝るより、背中を上げると呼吸が楽になるのはご存知でしたか?睡眠が十分取れていないと感じている方は、寝具を見直しても良いでしょう。Active Sleep BEDは、呼吸がしやすい背もたれの角度、腰や足が楽な姿勢、というように、その日の気分や体調にあわせてベッドのポジションを調整できます。気に入った角度が見つかれば、「じぶんポジション」として好みの角度を覚えさせることも可能です。寝具の見直しをお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。
Active Sleep BEDで睡眠の質を上げよう睡眠に関するホルモンについて
安眠に欠かせないメラトニンと呼ばれるホルモンは、トリプトファンというアミノ酸から作られます。トリプトファンは、必須アミノ酸のため体内で自然生成されません。トリプトファンを多く含むチーズやヨーグルトといった乳製品、納豆・味噌・豆腐といった大豆製品を食べるようにしましょう。
ただし、取り込まれたたんぱく質からトリプトファンを含むアミノ酸に分解され、すぐにメラトニンになるわけではありません。メラトニンは、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンがさらに変化した物質です。トリプトファン→セロトニン→メラトニンという過程が必要になります。
安眠に必要なメラトニンを作るためには必須アミノ酸が欠かせません。日々の食事で乳製品や大豆食品などトリプトファンを含むたんぱく質を取ることを覚えておきましょう。
隠れ睡眠不足による体重増加のチェックポイント
隠れ睡眠不足とは、睡眠の質が下がっている状態のことを指します。通常の睡眠不足と違って、本人に自覚がないケースが多いのが厄介な点です。以下では体重増加の要因となりうる、隠れ睡眠不足かどうかを判断するチェックポイントを4つ挙げます。当てはまるポイントがあれば注意しましょう。
1.いびきをかきやすい
いびきをかくのは、気道が狭くなり息がうまくできず、身体が酸素を欲している状態にあることです。酸素を取り込もうと身体が活動をしているので、寝ていても疲労が溜まってしまいます。睡眠時間を確保できているのに、なかなか疲れが取れない場合は、いびきをかいているのかもしれません。いびきは自覚しづらいので、家族に確認してもらいましょう。一人暮らしで確認が取れない場合は、アプリを活用すれば、いびきチェックをすることができます。
2.横になって5分以内に入眠してしまう
ベッドや布団に入って入眠するまでの時間は平均10~15分程度。したがって、横になって5分以内に眠ってしまうのは、疲労が蓄積している証拠です。眠気を感じていなくても、身体に疲労がたまっていれば、ベッドや布団に入ると身体はすぐに睡眠を取ろうとして、5分も経たずに寝てしまうケースもあるでしょう。即座に寝落ちしてしまうことが続いていたら、隠れ睡眠不足の可能性があると考えて良いでしょう。
対処法は、しっかりと身体を休めるために、できるときは睡眠時間を長めに確保することです。就寝時間を早めるのが良いでしょう。ただし、起きる時間を遅くしてしまうと生活リズムが崩れる可能性があるため、希少時間は固定しましょう。また、睡眠の質を高めるために、就寝2~3時間前に入浴をする、夕方から夜にかけて就寝の3時間くらい前までに運動をするなども良いでしょう。
3.起床後4時間後にも眠気がある
本来、起床から4時間ほどが経過した時間帯は意識が最もハッキリしている状態です。その時間に眠気がある場合は、睡眠時間が足りないか、睡眠の質が下がっている可能性があります。起床後の覚醒レベルを把握することも、隠れ睡眠不足か判断する材料となります。4時間後以降も眠い場合は、昼寝を取るのも手です。起床から7時間程度経ったころに昼寝をすると、自律神経を回復させ、夜中の睡眠を深くしてくれます。
4.深夜に2回以上目が覚める
夜中に何度も目が覚めるのは、睡眠の質が低下しているのが原因といえます。逆に、睡眠の質を向上させる行動を取ることで回復できる見込みがあります。就寝直前にお酒や食事を摂っていないか、寝る直前までスマートフォンを使っていないかなど、寝る前のルーティーンを見直しましょう。
その他に考えられる睡眠不足の原因
前項でチェックした事柄の他にも、睡眠不足の原因として考えられることを挙げてみました。解消方法もご紹介していますので、これらの原因が思い当たる方は、参考にしてみてください。
照明をつけたまま就寝している
人の身体は暗いほど、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が活性化します。そのため、部屋を明るくした状態だと、眠りが浅くなるといわれています。眠りの浅い状態が続くと、きちんと睡眠時間を確保しているつもりでも、睡眠不足になる可能性があるのです。真っ暗な部屋での睡眠が良いとされますが、人によっては「暗すぎるのは苦手」という方もいるでしょう。そのような方は、間接照明やフットライトで光が直接目に入らないようにしてみましょう。アイマスクを使うのもおすすめです。
室内の温度調整がうまくいっていない
部屋の温度も睡眠の質に影響を及ぼします。暑すぎる・寒すぎるなど、睡眠環境に適さない温度は、自律神経を酷使するため、十分な睡眠が取れないのです。エアコンを使って適度な温度調整を心がけましょう。
睡眠不足になると、ホルモン分泌の関係や疲労感から運動量が減り体重増加につながるとされています。一方で、寝すぎても、活動する時間が減少して、カロリーが十分に消費されず、結果的に、太りやすい身体になってしまう可能性もあります。理想的な睡眠時間は人によって異なります。ダイエットだけではなく、健やかな生活を送るために大切なことは、自分にとって適度な睡眠時間で、質の良い睡眠を取るということだといえるでしょう。
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