1日の理想的な睡眠時間は?何時間くらい眠るべき?
こころと身体の健康のためには、バランスの良い食事・適度な運動・良質な睡眠をとることが重要です。この中でも睡眠は、長時間寝ても目覚めが良くない日もあれば、短時間の睡眠でもシャキッと起きられる日もありますよね。そのため、「適切な睡眠時間はどのくらい?」というそんな疑問を持つ方も多いのではないのでしょうか。そこで今回は、1日にとるべき睡眠時間について解説します。
理想的な睡眠時間は?
理想的な睡眠時間はどれくらいなのでしょうか?不眠症の症状などと合わせてご紹介します。
理想的な睡眠時間は人によって違う?
理想的な睡眠時間の目安は7時間前後と考えられています。しかし、個人差があるため人によっては3時間程度の睡眠で合っている方、10時間寝なければ寝足りない方などさまざまです。睡眠時間の長さや目覚める回数、加齢による睡眠時間の減少には、あまりこだわりすぎないことが大事です。自分にとって「日中に眠さで困らない」、「夜は自然に眠れる」程度の時間を目安にすると良いでしょう。
不眠症とはどんな症状?
不眠が続くと、倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振などの症状が出てきます。
疲れているので睡眠をとり体力を回復したいのに、眠ろうとしても眠れないという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?
心配事がある時や旅先でいつもと環境が異なっている時、試験の前日で緊張している時など、原因が明確にあれば良いのですが、原因不明で不眠が続く場合には不眠症を疑う必要があります。
日中に精神や身体の不調の自覚と生活の質の低下、長期間にわたる夜間の不眠の2つが認められると、不眠症と診断されます。さらに、不眠症には以下の4つのタイプに分類できます。
不眠症の4つのタイプ
- 入眠障害・・・寝つきが悪い
- 中途覚醒・・・眠りが浅く、途中で何度も目が覚めてしまう
- 早朝覚醒・・・早朝、目が覚めてしまう
- 熟眠障害・・・睡眠時間を一定量とれても、ぐっすり眠れたという満足感を得ることができていない
日本人の5人に1人は睡眠に満足しておらず、60歳以上になると、約3人に1人が睡眠問題に悩んでいます。また、睡眠に関することで通院している人の20人に1人は睡眠薬を服用しています。以上の点を踏まえても、不眠症は日本人における国民病といえるでしょう。
1日の平均睡眠時間はどれくらい?
1日の平均睡眠時間は、年齢や季節によって異なります。
年齢による睡眠時間の違い
平成26年3月に厚生労働省より公表された「健康づくりのための睡眠指針2014」によると、日本人の成人の睡眠時間は6時間以上8時間未満の方がおよそ6割を占めています。そのため、これが標準的な睡眠時間であると考えられています。年齢別に見てみると、10歳代前半までは8時間以上、25歳は約7時間、45歳は約6.5時間、65歳は約6時間となっています。健康な方でも、年をとるごとに睡眠時間が減少していくことがわかっています。
高齢になるほど早寝早起きになるといいますが、年齢を重ねると朝方化して睡眠時間が短くなることが自然であるようです。睡眠時間にこだわるのではなく、「日中の眠気に襲われずに夜に自然な睡眠をとれること」が、自分自身にとって最適な睡眠時間と考えると良いですね。
季節による睡眠時間の違い
季節によって人間の睡眠時間には差が出ます。冬のような1日の日照時間が短い季節ほど睡眠時間は長くなりやすく、夏のような日照時間の長い季節ほど睡眠時間は短くなりやすいという変化が見られます。眠りを誘うホルモンの「メラトニン」が、人間の身体に大きく影響します。メラトニンは、暗くなると脳内で分泌される物質です。日照時間が短い冬はメラトニンの分泌が多くなり、睡眠時間が多くなると考えられています。
最適な睡眠時間とは?
前述の通り、1日の平均睡眠時間は年齢によって異なることがわかっています。また、1日の睡眠時間は、日本の成人28,000人を対象にした横断研究において、以下のような結果が出ています。
7時間以上 8時間未満が男性 30.5%、女性 29.9%、
6時間以上 7時間未満が男性 28.6%、女性 32.1%
6時間以上8時間未満の範囲に、男女合わせて約6割が該当していました。また、6時間未満が男性で12.9%、女性で14.4%。8時間以上の方が男性で28.1%、女性で23.5%となっており、男女で差が出ているのがわかります。
この結果を見てもわかるように、時間ごとにばらつきがあり、「〇〇時間眠るのが最適」という断言は困難です。
最適な睡眠時間は、昼間の作業に支障が出るほどの眠気に誘われない時間、また身体に不調が生じない時間です。定期的に自分の睡眠を見直すことによって、適切な睡眠時間を測り、良質な睡眠をとることを心がけると良いでしょう。良質な睡眠をとるためには「眠くなってからベッドに入る」「就寝前の喫煙やカフェイン摂取は控える」「夜食は食べない」などの注意が必要です。
睡眠障害とは?
睡眠障害とは、不眠症・過眠症・睡眠時随伴症などの睡眠に関連した多様な病気の総称です。不眠症は、健康を維持するために必要な睡眠時間が量的あるいは質的に低下して、社会生活に支障をきたす状態を指します。過眠症は、日中の仕事や学習に支障をきたすほど、過剰な眠気が発生する状態のことをいいます。睡眠障害の症状は他にも様々ありますが、いずれの場合も生活習慣病のリスクを高めることがわかっています。
睡眠と健康の関係
睡眠と人間の健康には深い関係があります。睡眠不足やシフトワークによって「体内時計が正常に働かない」という症状は、健康を害する可能性があるといえます。日本人の平均睡眠時間は、世界の国を比較しても短いのが特徴です。特に女性は、家事や育児の負担が大きいという理由から、平日・週末を問わずに慢性的な睡眠不足に陥っている方が多いといわれています。慢性的な睡眠不足は、日中眠気に襲われることはもちろん、意欲低下・記憶力減退だけでなく体内ホルモンの分泌や自律神経機能にまでも大きな影響を及ぼすことがわかっています。
寝不足が2日間続くことで食欲が増加し、慢性的な寝不足状態の方は糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病になりやすいことが明らかになっています。睡眠不足を続けること、睡眠障害を放置することは健康を大きく害する原因の1つなのです。
睡眠不足や睡眠障害が引き起こす生活習慣病とは?
慢性的な睡眠不足や睡眠障害は、身体に影響を及ぼします。e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係(厚生労働省)」によると、質の悪い睡眠は生活習慣病のリスクを高めるといわれています。睡眠の問題が引き起こす生活習慣病は以下の通りです。
肥満
睡眠不足は私たちの食行動に影響を与えます。睡眠が不足をすると、ホルモンの一種である「レプチン」の分泌が減少し、食欲を高めるホルモン「グレリン」の分泌量が増加します。増加した食欲によって食べる量が増えれば、肥満を引き起こしやすくなるのです。
糖尿病
睡眠に問題のある方と良眠の方とを比較すると、糖尿病になるリスクが1.5~2倍になることが知られています。寝不足が続くと血糖値を下げる働きをするホルモンの「インスリン」が正常に分泌されなくなります。慢性的な寝不足状態にある方は食生活が乱れ、ホルモンバランスが崩れることで糖尿病や心筋梗塞、狭心症といった生活習慣病にかかりやすくなるようです。
良眠のためには睡眠習慣を見直そう
睡眠習慣は、体内時計と大きく関係しています。e-ヘルスネット(厚生労働省)「快眠と生活習慣」によると、良い生活習慣で体内時計を24時間きっちりと調節すれば、規則正しい睡眠習慣が身につき快眠を得ることができるとされています。どんなにバランスの良い食事や適度な運動を心がけても、布団に入る時刻が毎日バラバラであれば快眠を得ることができないとされています。
睡眠不足を解消する方法は?
厚生労働省のe-ヘルスネット「健康づくりのための睡眠指針2014」でも掲載されている、睡眠不足を解消し良質な睡眠をとるための方法を紹介します。
起床時間を一定にする
起床時間を一定にすることで体内時計が正常化され、睡眠不足の解消に効果を発揮します。身体に睡眠の準備をさせることは、自分の意志で行うことはできません。体内時計を整えることでプログラミングされている睡眠を円滑に行うことができます。そのためには、規則正しい生活をしなければならないのです。
適度な運動
適度な運動は、睡眠だけでなく健康維持のために有効です。「適度」といっても、その方の年齢や運動経験、体力などによって適度な運動量は異なります。体に負担が少ないウォーキングなどの有酸素運動が適しています。自分の体力に合わせて距離や時間、歩くスピードを調整すると良いでしょう。息切れしない程度の水泳や水中ウォーキングも効果的です。
寝酒を避ける
就寝前にリラックスすることは、睡眠不足を解消するために効果的です。
睡眠薬代わりに寝酒の習慣がある方が多いことがわかっていますが、アルコールには慣れが生じるため、量が増えていきます。アルコールは、一時的な入眠の促進には効果的ですが、中途覚醒が増加することによってむしろ睡眠が浅くなってしまうのです。熟睡感を得られることができず、睡眠の質を下げてします。さらに、睡眠時無呼吸のリスク増加など2次的に睡眠を妨げる可能性が指摘されています。そのため、寝酒は避けたほうが好ましいといえます。
今の睡眠時間を調べる方法はあるの?
現在、「自分の睡眠時間は足りているのか」、「どれくらい睡眠時間がとれているのか」をわからないという方も少なくないでしょう。
睡眠時間を測りたい場合は、睡眠スコアを確認することができる「Active Sleep ANALYZER(アクティブスリープアナライザー)」の利用がおすすめです。
マットレスの下にActive Sleep ANALYZERをセットして、普段通り横になるだけです。眠っている時のわずかな体の動きから、睡眠状態やバイタルを推定し、専用アプリ「Active Sleep」を通して睡眠時の心拍数・呼吸数・体動が詳細までよくわかります。また、いびき検知機能があり、音の大きさや睡眠時のいびき時間を記録します。睡眠中のいびきを録音する機能まで搭載しています。
毎日の睡眠スコアの点数によって眠りポイントが追加されます。眠りポイントが貯まるとアプリ上で木が育ち、ポイントに応じて森を育む活動のサポートにもなります。Active Sleep ANALYZERのより詳しい仕様については、以下のページをご参照ください。
まずは自分の睡眠スタイルを知ろう
1日に必要な睡眠時間は年齢や季節によって異なるため、「〇〇時間必要」と断言することは難しいといえます。
睡眠時間は長さにこだわるのではなく、日中に不調が出ない時の睡眠時間が、自分に合っている理想的な睡眠時間であるといえます。睡眠不足によるリスクを把握して解消を目指すのが重要です。慢性的な睡眠不足や不眠は生活習慣病につながる恐れがあります。良質な睡眠をとるためには、睡眠習慣を見直すことが有効です。まずは、自分の睡眠を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
Active Sleep LABとは
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