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2023.06.09

二度寝してしまう原因と防止策

二度寝してしまう原因と防止策

アラームを聞いて一度は目覚めても、うっかり二度寝をしてしまった・・・
二度寝によって寝覚めが悪くなった・・・そんな経験をしたことのある方は多いのではないでしょうか。 今回は、「つい二度寝をしてしまう」と感じている方に向けて、二度寝の原因と対策についてご紹介します。二度寝でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

二度寝とは?そのメリットとデメリット

一度目が覚めたあと、本格的に活動を開始する前にもう一度寝ることを二度寝といいます。「二度寝はダメ」と考えている方も少なくないかもしれませんが、二度寝をすることが必ずしも悪い結果につながるわけではありません。二度寝は、デメリットだけではなく、メリットもあるのです。以下では、二度寝のメリットとデメリットをご紹介します。

二度寝のメリット

睡眠は、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」の2つからなり、睡眠中はこの2つが約90分の周期で繰り返されています。睡眠の後半には覚醒状態に近い「レム睡眠」が多くなります。起きるタイミングとしては、覚醒状態に近い「レム睡眠」の間が目覚めやすいのですが、睡眠の質が下がっていたり、睡眠不足の状態だったりすると、「レム睡眠」のときに目覚めても身体がすぐに活動を始められず、二度寝をしてしまうケースもあるでしょう。しかし、短時間の二度寝であればメリットもあります。5〜20分程度の二度寝であれば、血圧や血糖値をあげる役割を持つホルモン「コルチゾール」が分泌され、すっきりとした目覚めを後押ししてくれることがあるのです。

二度寝のデメリット

一方、二度寝で20分以上眠ってしまうと、デメリットが強くなってしまいます。寝付いてから20分以降には深い眠り「ノンレム睡眠」に入ってしまうからです。再び浅い眠り「レム睡眠」に戻るのは約90分後ですが、忙しい朝のタイミングで90分も二度寝する余裕がある方は稀でしょう。長い二度寝をしてしまうと、深い眠りから無理やり目覚めなくてはならない可能性が高く、日中に眠気や倦怠感が長く残りやすくなります。

また、中途半端に眠ってしまうことで、朝にしっかりと覚醒することができず、睡眠のリズムが崩れて体内時計が乱れる原因にもなります。無理に目覚めることになってしまううえ、予定よりも遥かに寝すぎてしまいその後の予定が詰まっていると慌てて準備する状況になってしまうケースもあるでしょう。朝から疲れた状態で1日をスタートする結果になりかねないという点も、二度寝のデメリットといえます。

二度寝してしまう原因は?

では、どうして二度寝をしたくなってしまうのでしょうか。ここでは、二度寝に至る原因を3つご紹介します。

睡眠不足

二度寝をしてしまう大きな原因として、「睡眠不足」が挙げられます。成人の1日の理想的な睡眠時間は約7時間です。まれに5時間以下の睡眠で足りる方もいますが、短時間睡眠の方は遺伝によるものが大きく、訓練によって睡眠時間を短くはできません。

1日6時間睡眠を2週間続けると、2日間徹夜した後と同じくらい脳のパフォーマンスが落ちるという研究結果があります。また、睡眠不足が続くと自律神経やホルモンバランスが乱れ、糖尿病・心筋梗塞・狭心症といった生活習慣病のリスクが高まることも明らかになっています。睡眠不足には多くの悪影響があるため、身体はどうにか睡眠時間を確保しようとします。その結果、二度寝をしたいという欲求につながるのです。

また、睡眠時間は足りていても、睡眠の質によっては熟睡感が得られず、二度寝をして眠気を解消しようとすることがあります。睡眠には、「量」と「質」の両方が欠かせません。睡眠時間が短い方や熟睡感がないという方は、しっかりと眠る時間を確保するところから始めてみましょう。

心身のストレス

身体の疲れや精神的な緊張が残っていると、二度寝をしやすくなります。

本来は、睡眠をとることで心身の疲れを解消できます。しかし、心身が緊張すると、頭や目が冴えて眠りが浅くなってしまいがちです。不安なことがあると、眠れなくなったり、夜中に起きてしまったりしたという経験をお持ちの方も多いでしょう。このように、強いストレスを感じた状態でベッドに入ると眠りが浅くなるため、翌日まで疲れが残ってしまうことがあります。心身の疲れが取れないままだと、「眠気が取れない」「身体がだるい」と感じやすく、二度寝をしやすくなってしまいます。

就寝前に湯船に浸かる、ゆったりとした音楽を聴くなど、リラックスタイムを取り入れることで、不安感やストレスが和らぐでしょう。

体内時計の乱れ

人の身体には体内時計が備わっており、体内時計の働きによって、夜に自然な眠気を感じたり、朝にすっきりと目が覚めたりします。ただし、体内時計は約25時間周期になるため、外界から遮断された部屋で過ごすと体内時計が徐々にずれてしまうといわれています。

体内時計を24時間周期に合わせるためには、起床時間に光を浴びる必要があります。光を浴びることで体内時計がリセットされて、15~16時間後に再び眠気を感じるようになるのです。起床時間がバラバラになっている方は睡眠リズムが乱れがちです。睡眠リズムが崩れると眠りが浅くなり、熟睡感のなさを補うために二度寝をしてしまい、また夜に眠れなくなってしまう…という負のループに陥ってしまうこともあります。

体内時計が乱れていると感じる方は、起床時間に強い光を浴びる習慣を身につけたり、逆に夜間には強い光を浴びないよう、デジタルデバイスの使用を控えたりすることが大切です。

参照元:e-ヘルスネット「睡眠・覚醒リズム障害」

二度寝をやめたいと思ったときの防止策:行動編

では、二度寝をやめたいと思ったときには、どのような対策を講じるべきなのでしょうか。まずは、二度寝を防ぐための行動からご紹介します。


  • 二度寝よりも昼寝を
  • 寝る前のスマホ・PC操作を控えめに
  • 深部体温を意識する
  • 快眠につながる栄養を積極的にとる

二度寝よりも昼寝を

もし、朝に起きてもまだ眠り足りないという場合は、二度寝をするのではなく、昼寝を取り入れましょう。二度寝のかわりに昼寝をすることで体内時計が乱れにくくなります。ただし、二度寝と同じく、長時間の昼寝をすると深い眠りに入ってしまい、起きるときに眠気や倦怠感を覚えることがあります。昼寝をする場合は、長くても30分くらいを目途にしましょう。

眠る前のスマホ・PC操作を控えめに

スマホやPCなどのデジタルデバイスから発生するブルーライトは、睡眠に悪影響を及ぼします。夜にブルーライトを浴びると、眠気を促すメラトニンというホルモンの分泌が抑制されてしまいます。デジタルデバイスだけではなく、コンビニの店内やリビングルームのLEDライトなど、強い照明のもとにいる場合も同様です。メラトニンの分泌が滞ると眠気を感じにくくなってしまい、寝つきが悪くなってしまいます。

スマホ・PCを寝室には持ち込まないというのも一つの方法です。また、夜にはできるだけ照明を絞り、薄暗い環境で過ごすようにしましょう。

深部体温を意識する

身体が眠るための準備を始めると、手や足から熱が放出され、深部体温が低下します。自然な眠気が促される条件は、深部体温がしっかり下がることです。つまり、就寝前に身体を温めると深部体温が下がりやすくなるため、寝つきが改善される可能性があります。

たとえば、就寝2時間前に白湯やノンカフェインの温かい飲み物を飲むことで、内臓から温まります。就寝中に消化器官が活発になると眠りが浅くなりやすいので、脂質・糖質の少ない生姜湯やカモミールティーなどがおすすめです。また、約40℃のお湯に浸かるのも効果的です。

寝る前に身体を温めることで深部体温がしっかりと下がり、寝つきも良くなるため、熟睡感を覚えやすくなります。

快眠につながる栄養を積極的にとる

睡眠の質を高めるための栄養素として代表的なのは、「トリプトファン」と「GABA(ギャバ)」です。

トリプトファン」はアミノ酸の一種で、乳製品・豆類・魚類に多く含まれています。トリプトファンは体内で生成できないため、食事から摂取しなければなりません。トリプトファンはセロトニンというホルモンを作る原料であり、セロトニンは、時間が経つと眠気を促すメラトニンに変わります。セロトニンがメラトニンに変わるにはそれなりに時間が必要なので、朝から昼にかけてトリプトファンを摂る必要があります。眠るための準備は、朝から始まっているのです。

リラックス効果のある「GABA」は、入眠を助ける栄養素として知られています。こちらもアミノ酸の一種で、野菜、果物、発酵食品などに多く含まれている栄養素です。GABAは精神安定作用のある神経伝達物質として重要な役割を担っており、睡眠の質を下げるストレスを和らげることで、寝つきをサポートしてくれます。

快眠につながる栄養素を補うために、トリプトファンがたっぷり摂れる「牛乳」と「バナナ」を朝食に取り入れるところから始めても良いでしょう。バナナにはGABAも含まれており、食べる手間がかからない割に腹持ちが良いため、快眠を促す朝食にぴったりです。

二度寝をやめたいと思ったときの防止策:寝室作り編

寝室の環境も、睡眠の質を左右する重要な要素です。ここでは、二度寝を防ぎ、ぐっすり眠るための寝室づくりのポイントを解説します。


  • 寝室の明るさを変える
  • 適切な温度・湿度に調整する
  • 防音性を高める
  • 寝室にはできるだけモノを置かない

寝室の明るさを変える

寝室の明るさは睡眠に大きな影響を与えます。暗い部屋で眠るほうが良いことは周知の事実ですが、真っ暗だと不安感からかえって眠りが浅くなる方もいますし、夜間にトイレへ行くときに足元が見えず怪我をするおそれもあります。暗闇が気になって眠れない場合には、寝室には、カーテン越しに月明かりを感じる程度には光があるほうが良いでしょう。

明るさの基準に「ルクス」があります。ルクスは数値が大きいほど明るくなり、たとえば、快晴の屋外はおよそ10万ルクスもあります。

しっかりと眠るためには、寝室内を最低でも30ルクス以下にしましょう。30ルクスは、ロウソクよりは明るく、窓から入ってくる街灯の光よりは暗いと感じる程度です。寝室の場合は、50ルクス程度の薄暗い部屋でも、睡眠の質が下がることがわかっています。外から明かりが入ってくるときには、カーテンを閉めて光をシャットアウトするのも効果的です。

適切な温度・湿度に調整する

寝室の温度・湿度は、暑すぎても寒すぎても、ジメジメしていても乾燥しすぎていても、深い眠りを妨げてしまいます。体感としては、少し涼しいと感じる程度が良いでしょう。夏は室温26度、湿度は50~60%。冬は室温16~19度、湿度は夏と同じく50~60%がおすすめです。

布団の中が快適な温度・湿度に保たれていれば、室内が寒くても睡眠の質は下がりません。しかし、夜間に喉が渇いたりトイレに行きたくなったりして目を覚ますことがある方は注意が必要です。温かい場所からいきなり寒い場所へ出ると、温度差によるヒートショックが起きやすく、心血管系の事故リスクが高まるからです。布団の中・室内・廊下・トイレの温度差はできるだけ小さくするのが良いでしょう。

防音性を高める

寝室内の「音」も、深い睡眠には欠かせない要素です。音の単位は「デシベル」で表されますが、寝室内は最低でも40デシベル以下に保つことが推奨されています。それ以上の騒音にさらされると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがわかっています。

40デシベルは、昼の閑静な住宅街や図書館の中くらいの静かさです。しかし、音の感じ方には個人差があり、40デシベル以下でも音が気になってしまう方もいます。騒々しい音が気になるという場合には、防音カーテンや防音フィルムを活用して、外から入ってくる音を遮断する工夫をしましょう。

寝室にはできるだけモノを置かない

リラックスできる寝室作りのためには、部屋の整理整頓も大切です。散らかった部屋は情報量が多く、気が散ってストレスを感じやすくなるため、間接的に眠りの質を低下させる原因になりえます。寝つきやすい空間作りのためにも、床に余計なものを置かずに、掃除や整理整頓がしやすくなる空間を心掛けましょう。

二度寝をやめたいと思ったときの防止策:アイテム編

目覚まし時計や寝具など、睡眠に欠かせないアイテムをうまく使って二度寝を防ぐ方法をご紹介します。

目覚まし時計の活用法

目覚まし時計を使う場合は、1回のアラームだけで起きるような工夫が必要です。スヌーズ機能を使う際には、絶対に起きなければならない時間よりも早めにアラームを設定する必要があります。しかし、早すぎるアラームで睡眠が妨害されると、朝の疲労感が増してしまう可能性があります。

アラームで無理やり起きてぼんやりとしてしまうのは、深い眠りに入っているタイミングで無理やり起きようとするからです。まずは、アラームを設定する時間を工夫しましょう。

人には、およそ90分で1周する睡眠周期があります。60~80分ほど浅い眠りが続き、その後に10~30分ほど深い眠りを続けます。睡眠時間が6~8時間になるのは、およそ90分の睡眠周期を4~5回繰り返すからです。そのため、1つの睡眠周期が終了するタイミングの目安となる90分単位でアラームを設定しておけば、目覚めがよくなる可能性があります。たとえば、0:00に眠るなら、7:30にアラームを設定します。

ただし、睡眠周期は体内時計にも左右されるため、不規則な生活をしていると90分からずれてしまうことがあります。アラームに頼るだけではなく、十分な睡眠時間を取り、起床時間を一定に保つ習慣作りは欠かせません。

目覚ましアプリの活用

枕元にスマホを置いて眠る習慣がある方は、スマホを目覚まし時計の代わりにするのも良いでしょう。アプリには様々な目覚まし機能があるので、自分にぴったりな目覚まし方法が見つかるかもしれません。たとえば、複雑な条件をクリアしないと鳴りやまない目覚ましアプリがあります。目覚めてすぐ計算問題を解いたり、QRコードをスキャンしたりしないと鳴りやまないといった、ユニークな機能が豊富である点がアプリの魅力です。

大きな音を鳴らす目覚まし時計や、自然な目覚めを促す光で起こしてくれる目覚まし時計もありますが、これらと似たような機能を持つ目覚ましアプリもあります。まずはアプリで試してみて、自分に合いそうであればそういった機能の付いた目覚まし時計を購入するのも良いかもしれません。

寝具を一新

自分の身体に合った寝具を用意することも、質の良い睡眠のためには欠かせません。特に見直したいのは、「マットレス」「」「掛け布団やブランケット」の3つです。

マットレスの役割は身体の負荷を分散すること。硬すぎず柔らかすぎないものが良いでしょう。硬すぎると十分に沈み込まず、マットレスに接した腰や肩に負担がかかります。マットレスが柔らかすぎると、沈みすぎた背中や腰に負荷がかかる上、寝返りが打ちにくくなってしまいます。そういった状態が長時間続くと、一部分だけに負荷が集中してしまい、いくら寝ても疲労感が取れなかったり、身体を痛めたりする可能性があります。

の役割は首を支えることで、睡眠時の首や肩にかかる負担を分散しています。人によって首の長さが違うため、合う枕の高さも人それぞれ。枕の高さや素材が合っていないと首や肩に負荷がかかり、痛みにつながることもあります。また、人は眠っている間にたくさん汗をかくので、通気性の良い枕を選ぶことでより快適に感じるかもしれません。

暑さや寒さが原因になっているのであれば、掛け布団やブランケットの変更も手です。掛け布団の役割は温度調整。寒すぎたり暑すぎたりすると寝苦しく感じてしまいます。また、掛け布団が重すぎると寝苦しさを感じますし、肌触りや吸水性によって不快に感じることもあります。何となく寝心地が悪いと感じるときには、掛け布団を見直すのも1つの方法です。

自分に合ったアプローチで二度寝の防止を

「二度寝はダメ」と思っている方も少なくないと思いますが、短時間で1回だけの二度寝であれば、すっきりとした目覚めに役立つことがあります。とはいえ、疲労感や眠気を伴う慢性的な二度寝に悩んでいる方も多いでしょう。

まずは起きる時間を統一し、朝にしっかり太陽や強い照明の光を浴びてメラトニンの分泌を抑えることで、夜に自然な眠りを促すことができます。眠気が取れない場合は、二度寝を我慢して、昼寝を取り入れるのも良いでしょう。また、寝室環境をきちんと整えるのも、快適な睡眠にはかかせません。自分に合ったアプローチで、上手に二度寝と付き合いましょう。

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