「歳をとるとよく眠れなくなる」は本当?高齢世代の睡眠をデータで紐解く。
年を重ねていくと眠れなくなる、睡眠の質が落ちるというのはよく言われます。。
では、実際はどうなのでしょうか?
Active Sleep ANALYZERのデータを分析したところ、「中途覚醒」と「離床回数」が高齢世代の睡眠の質を下げていることがみえてきました。
Active Sleep LABではActive Sleep ANALYZER(以下、アナライザー)が検出し、当社が設置するサーバーに送信された実際のユーザーの睡眠データ(男性807名、女性557名)から、高齢世代の眠りについて分析(※1)してみました。
週間睡眠スコアが低い
まず、アナライザーのデータを統計学的に分析したところ、高齢世代で違いが見えてきたのは週間睡眠スコア。(※2)
70・80代は週間睡眠スコアにおいて、50代以下の世代と比べてスコアが有意に低い結果でした。
睡眠の質を下げている、中途覚醒時間と離床回数
さらに分析を進めると、週間睡眠スコアを構成する夜間睡眠の5指標の中で、「中途覚醒時間」と「離床回数」が70・80代は50代以下の世代と比べて有意に多いことがわかりました。
中途覚醒時間とは、寝ついてから起きるまでの間の、睡眠の途中で目が覚めた時間のことです。例えば、寝苦しかったりトイレに行ったりするために目が覚めるといったことが挙げられます。
アナライザーのデータ結果から、中途覚醒時間や離床回数が多いことが睡眠の質を落としていることがわかりました。
では、高齢世代の方はどのようなことに気をつけたら、睡眠を改善できるのでしょうか。
夜の眠りの質をあげる2つのポイント
一つ目は、日中は活動的に過ごすことです。夕方に30分ぐらいのジョギングや散歩などするとよく、他にもストレッチや体操も有効です。また、早朝~午前に運動することは、心臓血管系の事故が多い時間帯であるため避けるようにしましょう。
二つ目は、日中に居眠りしないことです。日中に寝てしまうと、夜間の睡眠への欲求が減少し、よく眠れない原因となります。
もし、日中に眠くなる場合は、昼間13時~15時の間に30分程度の昼寝をとり、夕方以降は眠らないようにしてみてください。
不眠に悩む高齢者に対して、実際にこの2つのポイントの内容を週3日、計4週間行った結果、夜間睡眠での中途覚醒時間と夕方の居眠りが有意に減少したことが示されています。(H.Tanaka et.al, 2002)
まとめ
睡眠というと、ついつい睡眠時間、つまり寝て起きるまでがどれぐらいの時間なのか、と考えてしまいがち。
ですが、夜間に起きてしまう中途覚醒時間や離床回数も、睡眠にとって重要なポイントとなっています。ご自身の睡眠の質は、どういった部分で落ちているのか、客観的に見てみることで睡眠改善の新しい糸口が見つかるかもしれません。
捕捉
※1 一人当たりの測定回数は平均で91夜、全員の合計は124,275夜です。
※2 週間睡眠スコアとは
これは、睡眠を1週間という単位でとらえ、その質をあらわしているものです。
アナライザーには単日スコアと週間スコアがあります。睡眠センサーの多くは単日でのスコア表示です。
一方、パラマウントベッド睡眠研究所では「睡眠を改善していく」という視点において、単日という出来事に左右されてしまいやすい(例.深酒をした、など)ものではなく、平日と土日含めたスパンで睡眠をとらえ改善をはかることが本質的に効果的であると考えているので、週間スコアという特徴ある仕組みが搭載されています。
監修:パラマウントベッド睡眠研究所 椎野
文責:パラマウントベッド健康事業推進部 大槻
Active Sleep LABとは
「明日の眠りを、今日より楽しく」
Active Sleepが持つ眠りにまつわるアレコレを、皆さんに届けたい。
Active Sleep ANALYZERのデータ分析を中心に、情報発信をしています。
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