高校生の睡眠データで紐解く睡眠と学習の関係は?
睡眠時間の規則正しさや睡眠の質は、学習のパフォーマンスにどう影響を与えるのでしょう。Active Sleep LABは、高校生の睡眠データと成績の相関関係を紐解いてみました。
日々の眠りを分析する高性能センサーActive Sleep ANALYZER(以下、アナライザー)。
今回は、全寮制の高校の協力を得て、高校生の睡眠と学習との相関関係を解析しました。参加する生徒に睡眠セミナーの実施とアナライザーを貸与し、2020年9月中旬から2021年3月中旬までの約半年間の睡眠データを集めました。データを収集したのは、高校1・2年生44人分(男子25名、女子19名)、学習に特化したコースの生徒が25人、スポーツコースの生徒が19人でした。成績は主要科目の国数英の定期テストの点数を評価しています。
寝つき時間が成績に影響する!?
「睡眠時間」「寝つき時間」「中途覚醒時間」「離床回数」の4つの指標と成績との関連を見たところ、ベッドに入ってから実際に眠りにつくまでの「寝つき時間」が最も成績への関わりが大きいという結果が得られました。寝つき時間が短いほど、テストの平均点が高い生徒が多かったのです。また、成績が良い生徒ほど、中途覚醒や離床回数が少ないことがわかりました。睡眠時間の差では成績と有意な相関が見られず、同じ時間睡眠していたとしても、寝つき時間や中途覚醒の時間が短く、睡眠効率の高い生徒は成績が良いというデータが得られました。
就寝時刻の規則正しさと成績との関係性
次に、生徒ごとの6カ月間の就寝時刻のばらつきを集計した日ごとの就寝時刻のばらつき(標準偏差:分)と成績との関連を見てみましょう。就寝時間のばらつきが小さく毎日一定の時間に就寝する方が、成績が良い傾向がありました。
試験前の睡眠状態と成績はどう関係する?
試験前には一夜漬けなど、睡眠の取り方が普段と異なる場合があります。試験前における、睡眠状態と成績にはどんな関係性が見られたのでしょう。
実際に試験前1週間における睡眠状態について9月の集計開始直後、11月中旬の1週間、2月中旬の1週間、と3期間(ターム)に分けてデータを取得・解析してみました。
その結果、アナライザーの測定から時期を追うごとに、睡眠の質改善よって成績が向上した生徒が増える傾向が見られました。また、成績が向上した生徒においては、主に「寝付き時間」と「中途覚醒時間」が、普段よりも短い生徒が時期を追うごとに多いことが見られました。
寝つきをよくする行動と、眠りの環境を整える
前述のとおり、今回の調査前に生徒たちは睡眠セミナーを受講し、睡眠の基礎知識やアナライザーについて学んでいました。結果として、アナライザーの睡眠スコアが80点以上の生徒が半数を占め、全体的に睡眠スコアが高い傾向がありました。睡眠への関心が、睡眠の質向上に影響したのかもしれません。
今回のデータ解析によって、規則正しい就寝時刻や、寝つき時間、中途覚醒時間が成績との相関関係にあることがわかりました。さっと寝付けるように、例えば、夜はできるだけスマートフォンを見ないようにするなど入眠前の行動を意識することが重要です。また、湿度や温度などの環境を整えることで、中途覚醒を短くする心がけをするとよいでしょう。
監修:パラマウントベッド デジタル事業開発部 初雁
Active Sleep LABとは
「明日の眠りを、今日より楽しく」
Active Sleepが持つ眠りにまつわるアレコレを、皆さんに届けたい。
Active Sleep ANALYZERのデータ分析を中心に、情報発信をしています。
SNSでも情報発信中。↓↓↓