睡眠とSDGsの関係とは?良質な睡眠が環境問題につながる?
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs。政府の取り組みの他、各企業や地方自治体での取り組みも日に日に増え、みなさんが目にする機会も増えていることでしょう。今回は、「睡眠とSDGs」についてご紹介します。「SDGsと睡眠に関係性なんてあるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。この記事では、良い睡眠がSDGs達成につながる理由や睡眠の重要性、そしてパラマウントベッドのSDGsへの取り組みについてもご紹介します。
良い睡眠をとることがSDGs達成につながる?
SDGs(持続可能な開発目標)といえば環境問題に関する計画・目標が取り沙汰されることが多く、印象にも強く残っているのではないでしょうか。SDGsには、環境問題だけでなく、人々が健康で幸せな生活を送るための目標も多く盛り込まれています。持続可能な「開発」を実現するためには、まず人間が健康的な暮らしを送り、持続する社会をつくることが不可欠だからです。
SDGsの目標では、直接的に睡眠に触れているものはありませんが、健康的な生活をおくるためには、睡眠は質の良い睡眠が欠かせません。個人が睡眠環境を整えて健康に過ごすこともSDGs達成に貢献する行動といえます。
健康や睡眠に関わる企業の多くが「健康」に関わるSDGs目標を掲げています。
睡眠に関するSDGsの目標
睡眠は、私たちの健康に直結するだけでなく、SDGsの目標達成に向けた取り組みにも深く関わっています。特に、SDGsの目標である「目標3.すべての人に健康と福祉を」「目標4.質の高い教育をみんなに」「目標8.働きがいも経済成長も」の達成に寄与すると考えられます。
目標3.すべての人に健康と福祉を
「すべての人に健康と福祉を」は、世界の健康・福祉を実現するための目標です。世界保健機構(WHO)憲章では「健康」を次のように定めています。
「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。」
引用:世界保健機関憲章前文 (日本WHO協会仮訳)
良質な睡眠は生活の質を高めるだけでなく、学習や仕事のパフォーマンスを向上させ、社会全体の生産性を高める可能性を秘めています。睡眠は健康を維持する重要な手段であると同時に、豊かな社会を創出するために不可欠な要素でもあるのです。
目標4.質の高い教育をみんなに
「質の高い教育をみんなに」は、すべての人々が質の高い教育を受けられることを目指す目標です。適切な睡眠は、記憶の定着、情報の整理、集中力の維持など、学習にとって重要な役割を果たします。間接的な要因ではありますが、すべての人々が質の高い教育を受けるためにも、適切な睡眠環境の確保が重要です。
目標8.働きがいも経済成長も
「働きがいも経済成長も」は、すべての人々が働きがいを感じて十分な収入が得られる社会と経済成長を同時に目指すという目標です。働きがいは英語で「ディーセント・ワーク(人間らしい雇用)」と呼ばれており、自分の能力を存分に発揮できる安全で公平な職場で働くことを指します。つまり、働く人々が健康で、自分の能力を最大限に発揮できることが、この目標の達成につながるということです。
睡眠は肉体の疲れを回復させ、心をリラックスさせます。人々が活力ある生活を送り、日々の業務を適切にこなすためには良い睡眠が欠かせません。もし睡眠が足りていないと、注意力の欠如による作業中のミスや職場での事故、労働力の低下を招くことが考えられます。
睡眠は、働き手の健康と生産性を担保して社会全体の生産性を高め、経済成長を促進するための基盤となるのです。
睡眠をおろそかにすると起こること
十分な睡眠は身体と心の調和を保ち、健康を維持するために不可欠です。しかし、睡眠をおろそかにすると、様々な健康上の問題が引き起こされます。慢性的な睡眠不足が続き心身へ影響を及ぼしている状態は「睡眠負債」と呼ばれており、特に長期間にわたって睡眠不足が続くと身体上・精神上の健康に悪影響を及ぼします。
たとえば、深い睡眠は身体の回復や休息に重要な役割を果たしています。眠気があるのに起きている、夜中に目が覚めるなどで慢性的に睡眠時間を確保できない状態が続くと、深い睡眠が少なくなり日中の疲労感や倦怠感を覚えやすくなります。さらに判断力の低下、不安感や抑うつ状態、イライラしやすいといった精神状態の悪化にもつながるでしょう。
また、睡眠不足は食欲を抑える「レプチン」というホルモンの分泌を減らし、食欲を刺激する「グレリン」というホルモンの分泌を増やします。このようなホルモンバランスの乱れが過食や不健康な食事の引き金になるため、睡眠不足は肥満になりやすいといわれています。
現代社会においては睡眠時間を削りたくなるような誘惑も多いですが、睡眠は健康な生活を送るために欠かせない要素です。加えて、健康維持やSDGs(持続可能な開発目標)達成において重要な役割を果たします。
良質な睡眠を得るためには、毎晩の睡眠時間を確保し、睡眠環境を整えることが効果的です。寝室の温度や湿度を調整し、明るすぎない照明を選んでみましょう。また、寝具の見直しもひとつの手です。毎日使うマットレスや枕といった寝具はなかなか見直すタイミングがないかもしれません。今の自分に合っているか、心地よく眠れているかを振り返り、寝具を見直すのも良いでしょう。
寝具をお探しの方は、Active Sleep BEDもぜひご検討ください。Active Sleep BEDは心地良い入眠を促すベッドです。その日の体調や寝姿勢に合わせて背もたれを自由に調節可能。寝がえりを打ちやすいフラットポジションだけでなく、入眠しやすい角度、覚醒しやすい角度など、睡眠状態に合った心地良い眠りをサポートします。
SDGs(持続可能な開発目標)とは
SDGsは、私たちが生きる地球上で持続可能な社会や経済を築くための指標であり、私たちが直面するグローバルな課題を解決し、未来を保護するための国際的な取り組みです。2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットを設定し、「持続可能な開発」を促進するための具体的な行動を示しています。
SDGsは環境問題の改善や貧困・不平等の解消など、非常にスケールの大きな課題に取り組んでいるように感じられるかもしれません。しかし、たとえば「すべての人に健康と福祉を」という目標は、誰もが健康に暮らし福祉を推奨するという目標です。つまり、個人が健康に気を配った行動を取ることでSDGsに貢献できるということ。このように、個人だけでも達成へ近づける身近なSDGsもあります。
SDGsが掲げる17の目標
SDGsで掲げられている17の目標を、簡単にご紹介します。
1.貧困をなくそう | 世界中の人々が貧困から抜け出し、豊かな生活を送れる社会を目指す。 |
2.飢餓をゼロに | 飢えに苦しむ人々がなくなり、十分な食料にアクセスできる社会を目指す。 |
3.すべての人に健康と福祉を | すべての人が健康に暮らし、医療サービスや福祉にアクセスできる社会を目指す。 |
4.質の高い教育をみんなに | すべての子どもたちが質の高い教育を受けられる社会を目指す。 |
5.ジェンダー平等を実現しよう | 男女平等を促進し、女性の権利を保護する取り組みを推進する。 |
6.安全な水とトイレを世界中に | すべての人が清潔な水と衛生施設にアクセスできる社会を目指す。 |
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに | 持続可能なエネルギーへのアクセスを広げ、クリーンなエネルギーを推進する。 |
8.働きがいも経済成長も | 人々が働くための条件を整え、持続可能な経済成長を促進する。 |
9.産業と技術革新の基盤をつくろう | 持続可能な産業とイノベーションを推進し、経済の多様化を図る。 |
10.人や国の不平等をなくそう | 格差をなくし、すべての人が公正な機会にアクセスできる社会を目指す。 |
11.住み続けられるまちづくりを | 住みやすく、環境に配慮したまちづくりを目指す。 |
12.つくる責任つかう責任 | 資源の節約やリサイクルなど、持続可能な生活スタイルを目指す。 |
13.気候変動に具体的な対策を | 温暖化を防ぐために、地球環境の保護と持続可能なエネルギー利用を目指す。 |
14.海の豊かさを守ろう | 海洋の生態系を保護し、海洋資源の持続可能な利用を目指す。 |
15.陸の豊かさも守ろう | 森林や生物多様性の保護、砂漠化の防止など、陸地の持続可能な利用を目指す。 |
16.平和と公正をすべての人に | 暴力や不平等をなくし、包摂的で平和な社会を目指す。 |
17.パートナーシップで目標を達成しよう | 国内外の協力や持続可能な開発のためのパートナーシップを強化する。 |
パラマウントベッドの取り組み
パラマウントベッドでは、みなさまの睡眠の質の向上を目指し、SDGsに関する様々な取り組みを行っています。ここからは、パラマウントベッドが行っているSDGsの取り組みを一部ご紹介いたします。
「眠りのポイント」に応じた植林
パラマウントベッドでは、「人も環境も健やかに」をモットーに掲げ、眠りのポイントを利用した植林活動を行っています。眠りのポイントとは、Active Sleep ANALYZERで計測した睡眠データを元に専用アプリActive Sleep Appで付与される睡眠スコアの点数や、睡眠に関するアンケートに回答いただいた際に付与するポイントのことです。
パラマウントベッドでは、この眠りのポイントを活用し、地球をサステナブルに発展させる活動に貢献するべく、眠りのポイントに応じたマングローブ林の植林活動をインドネシアで行っています。植林方法は、放棄されたエビ養殖池の跡地に植林する「シルボフィッシャリー」を採択。マングローブ林周辺の水路でエビや魚を養殖することで、持続可能な水産・森林経営を目指します。
シルボフィッシャリーには水産養殖のための人手も必要であるため、地元住民の生計向上にもつなげられます。眠りのポイントを使った一連の取り組みは、SDGs目標における「8.働きがいも経済成長も」「13.気候変動に具体的な対策を」などに寄与する仕組みです。
SDGsに貢献する研究や支援活動
パラマウントベッドでは、睡眠に関する様々な研究を行っています。ここでは、SDGsに貢献するための支援活動を一部ご紹介します。
科学的な根拠に基づく睡眠環境提案
睡眠研究の専門部門として2009年に「パラマウントベッド睡眠研究所」を設置。専門家や学術機関との連携を通じて、睡眠に関する研究・開発を行っています。
またActive Sleep ANALYZERはマットレスの下に敷き、専用アプリと連携することで睡眠状態の評価ができます。設置して毎日寝るだけで睡眠状態を可視化。睡眠状況を採点し、睡眠に関するアドバイスを得ることができます。
アスリートへの睡眠改善提案を通じたパフォーマンス向上支援
専門的な睡眠研究や医療・介護分野で培った知見とテクノロジーを生かし、競泳日本代表およびパラカヌー日本代表選手の支援を行っています。
睡眠計測センサーによる眠りの質の評価・分析をフィードバックする他、寝心地の良さや寝がえりのしやすさなどの観点から良質な睡眠を追求した枕・マットレス・ベッドの提供等を行っています。
私たちがより持続可能な未来を築くためには、個々の行動の積み重ねが重要です。まずは自分自身の睡眠習慣を見直し、質の高い睡眠をとることから始めてみましょう。
質の高い睡眠は、私たちの身体的な健康を維持し、認知能力やパフォーマンス向上にも寄与します。e-ヘルスネットによると日本では成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しているとされています。そのため、一人ひとりが睡眠の質を高めることは、健康や経済成長などのSDGs目標を達成するためのスタートラインでもあるのです。
参考:e-ヘルスネット「不眠症に関する情報はこちら」(厚生労働省)より加工して作成
睡眠時間を十分に確保することはもちろんですが、快適な睡眠環境を整えることも大切です。現在使っている寝具を見直すことを検討されている方は、ぜひActive Sleep BEDもご検討ください。Active Sleep ANALYZER(アナライザー)を導入し、専用アプリを活用いただくことで、アプリを使ったベッド操作や自動運転、睡眠スコア計測も行なえます。Active Sleep BEDは、睡眠の質を改善したいと考えている方にはぴったりの寝具です。詳細は以下よりご覧ください。