カスタマイズベッドで、肩や腰への負荷を軽減させる!
きちんと寝ることで痛みが和らぐ!
整形外科医として、肩や首など、さまざまな部位の痛みを訴える患者さんを数多く診察している 井上留美子先生。患者さんの多くにお願いするのが「しっかり寝てください」ということだとおっしゃいます。「痛みと睡眠の関係はとても深く、きちんと睡眠がとれていないと痛みや不調だけではなく、鬱の原因にもなります。もちろん症状によりますが、軽い精神安定剤を処方すると、その副作用で寝つきがよくなり、痛みが和らいでいくケースもあるんですよ。
また、睡眠時の姿勢も重要です。椎間板の内圧を下げる姿勢をとるのが理想的です。体の一部分だけが沈み込まず、無理なく自然に寝返りが打てるような、固すぎず柔らかすぎない ベッドを選ぶことをおすすめします」(井上先生)
最近よく耳にする「スマホ首」は、スマートフォンを使うときの前屈みの姿勢を長時間続けたことによって起こる筋肉の緊張がアンバランスになった状態。その場合も、枕を変えたり睡眠時の姿勢を正しくすることで改善される可能性もあります。「五十肩については、同じ向きの横向きで寝る癖のある方に起こるとも言われています。左下に寝る癖の方は左肩が痛くなるのです。体の痛みは、ちょっとした生活習慣や心理的なものから来る場合もあるのです」(井上先生)
ヨガや呼吸法で脳の扁桃体の興奮を鎮める習慣を
井上先生は、もともとご自身の趣味でもあったヨガを取り入れた「整形外科ヨガ」を提案して、事務局の代表も担っています。体幹を鍛えるのに効果的なヨガですが、やり方を誤ってしまうと筋肉や関節に強い負荷がかかり、逆効果になってしまうこともあります。
そこで、インストラクターの方々に、整形外科的な観点から骨や筋肉の基礎的な仕組みや使い方を理解してもらい、誰もが安心してできるヨガをコーチングしてもらうことを実践。痛みや不調の緩和や予防に役立てているのです。「慢性疼痛は、脳の側頭葉内側の奥にある扁桃体というところが誤作動を起こし、アドレナリンを分泌したままになっていると考えられます。不眠が続くと、神経細胞の集まりである扁桃体が興奮した状態になり、さらに眠れなくなるといった悪循環に陥ってしまいます。ヨガの呼吸法やマインドフルネスは、精神的な落ち着きを取り戻すためにとても有効です。興奮状態になった扁桃体を落ち着かせ、自律神経系を整えるので、体全体にいい影響が及ぼされます。深いリラックスを得ることで寝つきも睡眠の質もよくなります」(井上先生)
その他、その日にあったいいことを書きだす「ありがとう日記」をつけることや、4カウントでゆっくり息を吸って、また4カウントで吐くといった呼吸法も先生のおすすめ。 認知行動療法に基づいたもので、パニック障害の治療にも取り入れられているものだといいます。眠りに入る前、背上げした快適なベッドで行えば、睡眠に対してもよい効果が得られそうです。
プロフィール
整形外科医 井上 留美子(RUMIKO INOUE)
松浦整形外科院長
日本整形外科学会認定整形外科医、日本整形外科学会リウマチ認定医 日本整形外科学会スポーツ認定医、日本整形外科学会運動器リハビリ 認定医、日本スポーツ協会認定スポーツ医 聖マリアンナ医科大学スポーツ医学教室研究員 ~所属学会~ 日本整形外科学会、手の外科学会、日本臨床スポーツ学会、 日本整形外科スポーツ医学会ほか
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