温活の効果と実践法
「冷えは万病のもと」といわれるように、身体が冷えると様々な不調を引き起こします。そんな冷えへの対策として有効なのが「温活」です。当記事では、冷えの原因や、温活の実践方法をご紹介します。身体の冷えにお悩みの方は、ぜひ実践してみてください。
温活とは
温活とは、身体を温めることにより基礎体温を上げ、免疫力を高めたり、体質を改善したりする活動のことです。具体的には、冷えに伴って現れる心身の不調を間接的にケアする健康法を指します。温活と一口に言っても、実践方法は食事や運動、入浴などの毎日のルーティーンに挙げられるものから、湯たんぽやカイロ、ネックウォーマーなどのあったかグッズを取り入れて外から身体を温める方法まで様々な種類があります。すぐに取り入れられるものも多くあるため、自身の生活に合ったものを取り入れやすい点は魅力といえます。
身体が冷えてしまう原因は様々
温活の実践方法を知る前に、身体が冷えてしまう原因を把握しておきましょう。自律神経の乱れや環境によるもの、筋肉量不足など、身体が冷えてしまう原因は様々あります。原因を知っておくことで、自身に合った方法をつかみやすくなります。
自律神経の乱れ
自律神経とは、心身の調子を保つ神経のことです。心身を活動モードにする「交感神経」と、休息させる「副交感神経」の2つから成ります。自律神経は体温調整にも深く関わるため、自律神経のバランスが乱れると体温調整が上手くいかなくなってしまうことがあります。その結果、冷えにつながってしまうのです。自律神経が乱れる原因は、不規則な生活習慣や激しい寒暖差による環境ストレスなどが挙げられます。自律神経の乱れによる冷えの場合は、規則正しい生活を送り、自律神経を整えることが大切です。
また、自律神経の乱れは、慢性的な寝不足や不規則な生活から引き起こされることもあります。
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筋肉量不足
筋肉量が少ないと血の巡りが滞り、身体が冷えやすくなります。男性よりも女性が冷えに悩まされやすいのは、筋肉量が少ないためです。日頃から運動不足な方、極端なダイエットをされている方は注意が必要です。筋肉量が落ち、知らず知らずのうちにより冷えやすい体質になってしまっているかもしれません。
運動量を増やしたり、必要な栄養をきちんと摂ったりして、筋肉量を増やすことも立派な温活の1つです。
鉄分不足
鉄分は、血液中の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の材料となる成分です。成人の体内には3~4グラムほどの鉄分が存在していますが、その7割はヘモグロビンの他、筋肉中のタンパク質である「ミオグロビン」に存在しています。
鉄分が不足するとヘモグロビン及び赤血球が減少し、筋肉中のミオグロビンが減少します。そのため、筋肉量が低下し身体が冷えやすくなるのです。特に女性の場合、毎月の生理によって鉄分が多く失われるため、必要摂取量は男性よりも多くなります。普段から意識的に鉄分を摂取し、冷え防止につなげましょう。
湯船につからずシャワーのみで済ませている
湯船につからず、お風呂はシャワーのみで済ませている方は注意が必要です。短時間のシャワーだけでは全身を温めるのが難しく、特に指先やつま先などの末端は、お風呂から出た後にすぐ冷めてしまいます。熱すぎないお湯を張った湯船に、15~20分ほどゆっくりつかりましょう。冬場だけでなく、冷房を使う夏場にも湯船につかるのがおすすめです。冷房による冷えや、外気温との温度差による自律神経の乱れを整えられます。
冷えによって引き起こされる不調
冷えは、重い生理痛や肩こりなど様々な不調を引き起こす可能性があります。以下では、冷えとそれに伴う不調の関係性についてご紹介します。自身の悩みや不調と照らし合わせながら、チェックしてみてくださいね。
生理痛
女性の場合、冷えによって生理痛が強くなってしまう可能性があります。身体が冷えると血行が悪くなり、痛みの元となる物質「プロスタグランジン」の分泌が多くなります。プロスタグランジンは、経血をスムーズに排出するために分泌されますが、子宮の収縮を起こしたり、痛みや炎症を起こしたりする作用があるといわれています。これによって痛みがひどくなってしまうケースがあるのです。
腹痛・便秘などお腹の不調
身体が冷えると、胃腸の働きが低下しやすくなります。その結果、消化不良になってお腹を下したり、ガスだまりや便秘になったりというお腹の不調につながります。すぐに実践できる対策のひとつとしては、できる限り温かい飲み物を摂ることです。白湯やルイボスティーなど、ノンカフェインのものがおすすめ。コーヒーや紅茶、緑茶などの飲み物には血管を収縮させるカフェインが含まれており、結果的に身体を冷やしてしまう原因になるので飲みすぎないようにしましょう。
肩こり
慢性的に身体が冷えると、肩こりがひどくなっていきます。冷えによって血行が悪くなることで、筋肉に十分な酸素や栄養が行き届かなくなるのに加え、疲労物質がきちんと運び出されなくなるためです。冷房の効いた部屋での作業や同じ姿勢を続ける仕事に就いている方は、より肩こりになりやすいので注意しましょう。
頭痛
頭痛には、頭全体に締め付けられるような痛みが表れる「緊張型頭痛」と、頭の片側にズキズキとした痛みが表れる「片頭痛」があります。緊張型頭痛は、冷えによる血行不良で頭を支える首や肩の筋肉が緊張することで起こりやすくなります。一方、片頭痛はストレスによって引き起こされるケースが多いとされています。慢性的な冷えがストレスとなり、頭痛の原因となっている可能性も考えられるので、自宅や職場の環境を見直してみましょう。
温活の実践法:運動編
適度な運動をすることで、身体の隅々に必要な酸素や栄養素が行き渡りやすくなったり、体内の熱産生が活発になったりして温活効果が期待できます。ウォーキングやストレッチ、筋トレなど、比較的取り入れやすい運動の効果や実践方法をご紹介します。
温活におすすめの運動:ウォーキング
ウォーキングは、性別・年齢にかかわらず取り入れやすい運動です。ウォーキングは有酸素運動の一種。時間としては1日20~30分程度を目安に、週に2~3日の頻度で継続して行うのがおすすめです。
ただ漫然と歩くのではなく、しっかりと腕を振り、背筋を伸ばすことを意識しましょう。腕をしっかり振ることで肩甲骨が刺激され、血行促進が期待できます。背筋をしっかりと伸ばすことで、普段は意識しにくい背筋や腹筋が刺激され、姿勢改善効果も見込めるでしょう。
温活におすすめの運動:ストレッチ
ストレッチは、身体の筋肉や関節をゆっくりと伸ばす運動です。ストレッチを行うことで、筋肉・関節の緊張をほぐして血行を促進し、身体を温める効果が期待できます。広いスペースを必要とせず、特別な道具も不要なため手軽に取り組めるのも魅力。ストレッチを行う際は、勢いをつけて無理に伸ばさないようにしましょう。筋肉・関節の可動域を探りつつ、ゆっくりと伸ばし切ることが大切です。
温活におすすめの運動:筋トレ
筋トレは、筋肉に負荷をかける動作を繰り返し行う運動です。「抵抗(レジスタンス)」をかけて行うため、「レジスタンス運動」とも呼ばれます。筋肉量を増やすことで、基礎代謝が上がり、熱産生量も増えるため身体が冷えにくくなります。ここでは、身一つで実践できる筋トレのひとつ「レッグレイズ(足上げトレーニング)」のやり方をご紹介します。
- 仰向けに寝転がり、両手を広げて身体を安定させる
- 両足を軽く浮かせたらかかとをくっつけ、上へゆっくりと持ち上げる
- 床と太ももの角度が90度になった位置で止める
- ゆっくりと両足を浮かせた状態まで戻す
- 一連の動作を、30秒~1分ほどの休憩を挟みつつ30回ほど繰り返す
レッグレイズは、太腿にあるハムストリングや大腿四頭筋だけでなく、腹筋も鍛えられるメニューです。ご自身の体力や筋力を考慮しつつ、身体を痛めない範囲で実践してみてください。
温活の実践方法:食事編
温活では、食事や栄養素について知っておくことも大切です。温活効果が期待できる栄養素や冷えにくい身体を作るための食事の摂り方を、以下でご紹介します。
温活で積極的に摂りたい栄養
- タンパク質
- 鉄分
- ビタミンB1・ビタミンE
●タンパク質
タンパク質は、筋肉や臓器をはじめ、皮膚や骨など身体を作るために欠かせない栄養素です。筋肉量不足による冷えでお悩みの方は、筋肉の元となるタンパク質を積極的に摂りましょう。タンパク質は、鶏ささみをはじめとした肉類だけでなく、豆腐や豆乳などの大豆製品、チーズやヨーグルトなどの乳製品にも含まれています。
●鉄分
こちらも温活に欠かせない栄養素のひとつです。鉄分を十分に摂ることで、筋肉にあるタンパク質・ミオグロビンの減少を抑制でき、筋力低下とそれに伴う全身の冷えの防止につながります。
●ビタミンB1・ビタミンE
ビタミンB1やビタミンEも積極的に摂りましょう。ビタミンB1は糖質代謝をサポートするビタミンです。代謝を促進し、身体を動かすエネルギーを作り出します。また、ビタミンEには血管を拡張して血行を促進する作用があり、血行不良による末端の冷えを防いでくれる効果が見込めます。具体的な食材例としては、ビタミンB1はウナギや豚肉、ビタミンEはナッツ類や大豆などが挙げられます。
参考:食事誘発性熱産生
「食事誘発性熱産生」とは、食後に安静にしていても代謝量が増大することを指します。食事によって取り入れられた栄養素は体内で分解され、その一部は熱となって消費されます。消化活動によって内臓の働きが活発になり、身体が暖かくなります。食後すぐに身体が温まるのは、この食事誘発性熱産生によるものです。一方で、食事誘発性熱産生にも筋肉量が影響しますので、いずれにしても適度な運動を取り入れるのが得策でしょう。
温活の実践方法:生活習慣・環境編
お風呂の入り方や冷房・扇風機の使い方など、普段の何気ない生活習慣が原因で身体を冷やしてしまっているかもしれません。温活では、そうした生活習慣を見直すことも大切です。
湯たんぽ・腹巻き・カイロなどのアイテムを活用する
今すぐに温まりたいのであれば、湯たんぽや腹巻き、カイロなどで直に温めるのがおすすめ。首やお腹、腰などの冷えが気になる部位を重点的に温めましょう。手や足などの指先が冷えやすい方は、アームウォーマーやレッグウォーマーを取り入れるのも手です。温かさはもちろんですが、肌への刺激が少なく肌触りの良い素材でできたアイテムを選ぶことも大切です。
湯船にしっかりとつかる
38~40度程度のお湯に、肩までしっかりとつかりましょう。たっぷりとお湯を張るのが面倒だと感じる方は、下半身だけお湯につかる半身浴でも問題ありません。なお、寒いからといって、熱すぎるお湯につかるのは避けましょう。お湯が熱すぎると心身を興奮させる交感神経が活発になり、かえって血管が収縮して血行不良を引き起こしてしまう可能性があるためです。特に冬場は、お湯の温度と脱衣所や浴室の温度との差によってヒートショックのリスクもあるので、年齢に関わらず注意しましょう。
冷房や扇風機の使い方を考える
夏は暑くても、冷房や扇風機の風に直接当たらないようにしましょう。身体が冷えすぎてしまったり、身体の水分が通常よりも早く蒸発して、水分不足を引き起こしてしまったりする可能性があるためです。また、冷房の温度設定も重要です。屋内外の温度差が5℃以内になるように設定すると、温度差による自律神経の乱れと、それに伴う体温調節機能の低下を予防できます。設定温度は25~28℃を目安に、暑すぎず冷えすぎないように注意しましょう。また、長時間冷房を使っている場合は、定期的に換気をして外気を取り込むことも大切です。
毎日の生活に温活を取り入れてみよう
身体が冷えてしまう原因は、運動不足や栄養不足、その他の生活習慣の乱れなど様々あります。身体の冷えにお悩みの方は、まずはなぜ冷えてしまっているのか、生活習慣を見直してみましょう。そのうえで、本記事でご紹介した温活方法をぜひ取り入れてみてください。