~健康博覧会FEMTECHゾーン出展 特別記事~ 妊娠・産後と睡眠
寝ても寝ても眠い…、昼間眠くて体が辛い…、つわりが辛くて眠れない…。妊娠期の睡眠について社内で調査した時に上がっていた声です。
妊娠によって、体内でのホルモンバランスが大きく変化します。それは、睡眠にも影響を及ぼしています。
妊娠すると、女性ホルモンの分泌量が増加し、その1つであるプロゲステロンは体温を高く保つという作用があります。通常は、深部体温(身体の内部の温度)は昼間に上昇して夜間は低下するリズムを示し、夜間睡眠の開始によりさらに低下しますが、プロゲステロンの増加により夜間睡眠中の深部体温が高い状態となります。そのため、体温リズムの昼夜のメリハリがなくなり、夜間の睡眠が浅くなって熟眠感が低下し、日中に眠気が強くなる状態を引き起こします。
当社の調査(※1)では、妊娠中の睡眠に悩みを抱えていた人の割合は妊娠の初期で72%、中期で38%、後期で88%でした。ホルモンバランスだけではなく、つわりや様々な不安感、後期になると大きなお腹により寝返りしにくいこと、腰痛、息苦しさなどが睡眠を妨げる原因にもなってきます。
睡眠不足といえば、産後。赤ちゃんに3時間おきに授乳する必要があるので、全然眠れない……。自分が何かヘマをしたら、この小さい命が危険にさらされる、と極度のプレッシャーも感じる、ということも声として多くあがっていました
新生児の24時間周期の睡眠覚醒リズムは、生後約7週間(受胎後約46週)で現れてきます。新生児の睡眠覚醒リズム、体内の変化、慣れない育児の疲労……。様々な要因が重なって極度の睡眠不足となることが多いです」
産後、新生児の睡眠覚醒リズムは形成されていないことに加え、終日3時間おきの授乳が必要なため、極度の睡眠不足に陥ります。個室に入院中の産褥婦を対象に、睡眠データを測定した結果において、夜間の睡眠時間・在床時間・睡眠効率は初産褥婦・経産褥婦ともに産後2日目から急激に減少しており、夜間の睡眠時間は経産褥婦に比べて初産褥婦で短縮傾向を示していました。初産褥婦はすべてが初めてづくしであるため、睡眠が障害されやすいと考えられます(※2)。
まとめ
妊娠期は、それぞれの環境において、難しい部分はあるかもしれませんが、生体リズムを整えることを意識しましょう。朝起きたら、日の光を浴びる、朝食を食べる……。自分の生活に取り込みやすいことでいいので、生体リズムを整える習慣をつけていく。生体リズムを整えることで、睡眠や体温のリズムのメリハリができ、夜間睡眠の質が高まり、日中は活動的に過ごしやすくなります。
さらに、妊娠期から産後にかけては、「眠くなった時は寝る、早く寝られる時は早く寝る」ことを意識することも良いでしょう。妊娠末期(35週以降)と産後4ヶ月では入眠時刻が早いほど夜間の睡眠時間が長いことを示した報告(※3)があり、早寝を意識することも夜間の睡眠時間の確保に有効であると考えられます。
ひとつの体に母と子、二つの命が宿り、そして子がこの世に生を受けた後も、体内のリズムは大きく変化します。その変化を正しく理解し、抗うことなく、そして、極度に恐れることなく。
当社の調査(※1)では、全体の61%の人が睡眠の悩みを誰かに共有し、そのうち45%の人が、共有したことで気持ちの整理や家族の協力を得ることなどできた、と回答しました。
一人で悩むのではなく、家族など周囲の人と悩みを共有することもしていきましょう。
※1:パラマウントベッド(株)「妊娠期の睡眠についての社内調査」
調査方法:インターネット調査/調査期間:2021年12月27日~2022年1月7日/有効回答数:18名
※2:廣瀬一浩 シート型体振動計(眠りSCAN)を用いた産褥婦の入院中の睡眠評価について(第3報)
日本睡眠学会第42回定期学術集会2017
※3:乾つぶら 妊娠末期から産後4カ月の母親の睡眠覚醒リズム等の変化
日本助産学会 2008; 22(2) :189-197
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